ハーモ 伊那インター工場 1期工場

建築主
株式会社ハーモ 様
所在地
長野県伊那市西箕輪
構造規模
S造・2階
延床面積
3,782.46㎡
竣工
2025年11月
工期
11か月
担当設計士
酒井 優・宮脇 博一・髙澤 清佳

1期工場だけでも機能し、次の工事へつながる工場を設計する

本社工場・箕輪工場・伊那工場の3か所を、新たに取得した敷地1か所へ集約する計画です。建設を3期に分けるため、各期の完成時点で工場として機能し、将来の各期工事の際にも既存の工場への影響が少ない配置を前提に計画しました。配置計画を3案比較して採用案を決め、1期工場は2025年11月に竣工しています。

1. ご相談の背景

業務効率化を主な目的として、老朽化も見られる本社工場・箕輪工場・伊那工場の3か所を、新たに取得した敷地1か所に集約する計画です。

建設と移転は3期に分けて行うこととし、今回はその1期工場にあたります。

2. 設計前に整理したこと

各部門の作業内容を確認し、工場全体の作業工程——資材と製品の流れ——を把握するところから始めました。

段階的に建てるため、配置計画には2つの前提条件を独自に設定しました。

  • 各期の完成時点でも、工場として機能が完結すること
  • 先に完成した工場の操業への影響を抑えながら、次の工事を行えること

3. 比較した案と、採用した案

配置計画を3案検討しました。比較したのは、車両動線、従業員駐車場との関係、各工場間の連携、トラックヤード、2期・3期工事への影響です。

ハーモ 伊那インター工場 配置計画 検討案A
検討案A
ハーモ 伊那インター工場 配置計画 検討案B(採用)
検討案B(採用)
ハーモ 伊那インター工場 配置計画 検討案C
検討案C

不採用案2つと、その理由

案 採用しなかった理由
不採用案① 2期工場と3期工場の連携が取りにくい
不採用案② 1期工場と2期工場の連携が取りにくい

採用した案は、各工場からの連携が良く、車両動線と物流搬入車両動線を分離でき、通用口玄関まで近いという評価でした。

決め手は、将来の各期工事の際にも、既存の工場への影響が少ないことです。

4. 採用案を成立させた設計

建物高さを揃える。 1期工場は2階建て、2期・3期は平屋建てというご要望でした。3期工事の完成時に一体感のある建築物となるよう、前面道路に面して1期・2期を配置し、建物高さを揃える計画としました。

3期工場全体の法的条件を、1期工場から織り込む。 3期工場が完成した時点で法適合するよう全体計画を行い、1期工場の段階から必要な法対応措置を施しました。後の期で手戻りが出ないようにするためです。

増築に備える。 2期・3期の増築工事に対応できる構造計画とし、設備計画にも余裕を持たせました。

ワンウェイ動線。 入庫・入荷から保管、出庫・出荷までの物流動線を、極力短い一方向の動線としました。従業員や製品の後戻り・交差が起きない計画です。

5. 完成後

1期工場は2025年11月に竣工しました。工事工期は11か月です。

複数社による競争入札が行われ、予定価格(設計価格)を15%ほど下回る金額で発注されました。

2期・3期の工場は、これからの計画です。

6. この計画から得た知見(酒井 優)

3期分をまとめて全体計画を行ったうえで、1期工場の完成後も、その操業への影響を抑えて次の工事を進められる配置・平面計画としました。各期の完成時点で、工場としての機能を完結させることを前提に検討しています。

7. 同じ課題をお持ちの方へ

段階的に工場を集約・増築される場合、1期の設計に入る前に、想定されている最終形までの全体配置をご相談ください。

段階建設では、後の期の建物位置・法適合・工事動線が、1期の配置によって決まってしまいます。1期だけを最適に設計すると、2期工事以降に建物が配置できない、工事車両が入れない、法適合のための改修が必要になる、といった手戻りが起きます。

最終形から逆算して1期を決めることで、各期の完成時点でも工場として機能し、将来の各期工事の際にも既存の工場への影響が少ない計画になります。

担当設計士

建設会社を決める前に、ご相談ください。

まだ図面も予算もお決まりでない段階で構いません。

敷地、いまの困りごと、いつ頃までに。この3つを伺えれば、考えられる選択肢と、次に決めることをお話しします。

  • 建設会社を決める前の段階からお受けします
  • オンラインでのご相談も承ります
  • 初回のご相談は無料です(調査・診断などは有料です)
  • 計画から完成まで、担当設計士が継続してサポートします