工場の建設費は、床面積だけでは決まりません。構造、階数、設備、敷地の地盤など、設計の判断で大きく変わります。

出てきた見積りが妥当かどうかは、1社の見積りだけでは確かめられません。比べる相手がいないからです。

建設会社を決める前に、設計事務所に相談するという選択肢があります

先に必要な機能や品質を設計図書に整理すれば、複数の建設会社から同じ条件で見積りを取り、工事費だけでなく、技術力や施工体制も比べられます。城取設計は、発注者の立場で、施工会社の選定から工事監理まで支援します。

1社にまとめて頼む(設計施工一括)

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設計施工一括の流れ:発注者が、設計と工事をまとめて建設会社に頼む

分けて頼む(設計施工分離)

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設計施工分離の流れ:設計事務所が必要な機能と品質を図面に整理し、複数の建設会社から同じ条件で見積りを取って比べて選び、工事は設計事務所が監理する

設計と工事を1社にまとめて頼む方法を「設計施工一括」、分けて頼む方法を「設計施工分離」といいます。

比較項目 設計施工一括 設計施工分離
施工会社 原則依頼先が施工 複数社を比較して選定
見積条件 施工会社の提案が基準 同じ設計図書で比較しやすい
工事監理 契約体制に応じる 独立した立場で確認できる
特徴 工程・責任の一元化 価格・仕様の透明性

設計と工事を1社にまとめて頼む方法にも、工程と責任を1か所にまとめられるよさがあります。どちらが合うかは、計画によって変わります。

設計事務所に頼むと、決まった建設会社を紹介されるのでは

そう思われることがありますが、城取設計では、図面と仕様書を固めたうえで、複数の建設会社(たとえば3〜4社)に同じ条件で見積りを依頼します。見積りを依頼する会社は、施主様と相談して選び、届いた見積りも施主様と一緒に比べます。

設計料のぶん、高くなるのでは

設計と工事を1社にまとめて頼む場合も、設計の費用はかかっています。工事の契約の中に含まれているか、別にお支払いいただくかの違いです。比べるときは、設計監理料を含めた総額で比べます。

ハーモ 伊那インター工場と東洋技研の工場兼物流倉庫は、複数の建設会社による競争入札で発注されました。

金額は、設計の段階で見込んだ工事費(予定価格)を、それぞれ15%ほど、20%ほど下回りました。

比べるときに見ること

  • 合計の金額だけでなく、項目ごとの金額
  • 見積りに含まれていない工事がないか(外構、既存の建物の解体、各種の申請の費用など)
  • 工期と、工事のあいだの生産への影響

見積りの取り方の手順は工場設計の進め方にまとめています。

建設費は、設計の判断で変わります

城取設計の実績から、建設費に効いた設計の判断を紹介します。

  • 床面積を、基準が変わる線の内側に収める。 伊東電機工作所では、平屋で床面積2,000㎡以下に抑えることで、屋内消火栓に代えてパッケージ型消火設備を採用しました。延床面積1,996.96㎡は、この線に納めた数字です。
  • 構造の方式を選ぶ。 同じく伊東電機工作所では、柱と梁にかかる力に応じた断面の鋼材を使うシステム建築を採用しました。圧延のH形鋼を使う在来工法と比べて、鉄骨量を30〜50%ほど抑えられます。
  • 柱の間隔を決める。 東洋技研の工場兼物流倉庫では、構造とコストのバランスがよい柱の間隔(経済スパン)を基本に、保管棚のレイアウトと合わせて、作業動線の上に柱が出ない柱割にしました。

柱の間隔や構造の方式は、社内の構造設計士と一緒に、計画の初めから比べます。

工場の工事費の指数は、2015年と比べて約1.4倍になっています

建設物価調査会の建築費指数では、工場(鉄骨造)の工事原価は、2015年の平均を100として、2026年8月に144.1(暫定値)でした。約1.4倍です。前の年の同じ月と比べても、5.6%上がっています。

長野県の指数はないため、東京の値です。

出典:一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建築費指数®」(東京・工場〈S造〉・工事原価・2015年平均=100)。2026年8月は暫定値(2026年9月10日公表)。約1.4倍は 144.1÷100 で当事務所が計算。確認日:2026年10月5日

長野県で着工した工場の工事費は、統計上、1㎡あたり平均約43万円でした(2025年)

国土交通省の建築着工統計では、2025年に長野県で着工した「工場及び作業場」は、床面積の合計が137,340㎡、工事費予定額の合計が約596億円でした。1㎡あたりにすると約43万円、1坪あたりでは約144万円です。全国では1㎡あたり約40万円でした。

ただし、この数字は相場ではありません。

  • 建築工事届を出した時点の予定額です。完成したときの金額とは異なることが多い、と国土交通省は説明しています
  • 統計の定義は「主体工事費と建築設備の工事費を合算したもの」です。設計料、土地代、外構工事、生産設備などを含むとは書かれていません
  • 規模も用途も仕様も違う建物の平均です。大きな工場が着工した年には平均が大きく動くため、年によって数字が変わります

出典:国土交通省「建築着工統計調査」令和7年計 第3表-2(e-Stat、2026年1月30日公表)。1㎡あたり・1坪あたりの金額は、工事費予定額の合計を床面積の合計で割って当事務所が計算(1坪=3.30578㎡)。確認日:2026年10月5日

補助金を使う場合

補助金を使う場合は、見積りの取り方や契約の時期に、制度ごとの条件がつくことがあります。補助金について

建設会社を決める前に、ご相談ください。

まだ図面も予算もお決まりでない段階で構いません。

敷地、いまの困りごと、いつ頃までに。この3つを伺えれば、考えられる選択肢と、次に決めることをお話しします。

  • 建設会社を決める前の段階からお受けします
  • オンラインでのご相談も承ります
  • 初回のご相談は無料です(調査・診断などは有料です)
  • 計画から完成まで、担当設計士が継続してサポートします