【受賞】設計実績「八十二長野銀行 伊那北支店」がウッドデザイン賞2026を受賞しました!

このたび、株式会社城取建築設計事務所が設計を手がけた「八十二長野銀行 伊那北支店」(長野県伊那市)が、「ウッドデザイン賞2026」を受賞しました!

ウッドデザイン賞は、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催し、文部科学省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省が後援する顕彰制度です。
木を使って社会課題を解決する建築・製品・取り組みを表彰するもので、2026年は応募総数380点の中から235点が受賞作品に選ばれました。

八十二長野銀行 伊那北支店は、建築・空間分野の「店舗・商業施設」として、ソーシャルデザイン部門で受賞しています。
受賞団体は、主たる応募者である当社をはじめ、株式会社八十二長野銀行様、吉川建設株式会社様、宮下建設株式会社様、株式会社シェルター様です。
計画・施工にご協力いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。

今回は、受賞した八十二長野銀行 伊那北支店がどのような建物なのか、設計で大切にした3つのポイントとあわせてご紹介します。

八十二長野銀行 伊那北支店とは

八十二長野銀行 伊那北支店は、2025年9月に利用を開始したカフェ併設型の銀行店舗です。
建物は木造2階建て、延床面積は798.08㎡。金融の窓口に加えて、タリーズコーヒーの併設カフェ、セミナースペース、コンサルティングブースを一体的に計画しました。

近年、デジタル化の進展や人口減少の影響で、銀行の店舗に足を運ぶ機会は減っています。
一方で地方都市では、世代を超えて人々が気軽に集い、安心して過ごせる「居場所」も少なくなっています。

こうした背景から、計画にあたっては「これまで銀行へ足を運びにくかったお客さまにも、気軽に来ていただける場所にする」というキーワードのもと検討を進めました。
「地域の賑わい創出の拠点となる」という銀行のビジョンのもと、タリーズコーヒーとの初のコラボレーション店舗として「まちのリビング」を目指す方向性が定まりました。

銀行・カフェ・設計事務所の三者がこのビジョンを共有したことで、銀行を「手続きの場」から「地域の日常インフラ」へと変える計画が実現しています。

八十二長野銀行 伊那北支店 外観

ポイント①:長野県産材を活かした木造のあたたかい空間

1つ目のポイントは、長野県産材を構造・内装に積極的に活用した木造の空間です。

銀行の建物は、防犯性や堅牢性を重視して、鉄骨造や鉄筋コンクリート造でつくられることが一般的です。
伊那北支店では、銀行建築としては珍しい木造軸組工法を採用し、上伊那産材を含む長野県産材を柱・梁などの構造材や内装に使用しました。

店内に入ると、太い木の柱と梁が現れ、木の温もりに包まれた空間が広がります。
木の質感は、金融機関に求められる「安心感」と、カフェとしての「居心地のよさ」の両方を生み出しています。

地域の木を地域の建物に使うことは、森林資源の循環や地元林業の活性化にもつながります。
今回の受賞は、こうした地域材の活用と、それによって生まれた地域とのつながりが評価されたものと考えています。

ポイント②:開放的な構成で銀行の「入りにくさ」をなくす

2つ目のポイントは、外から中の様子が見える開放的な空間構成です。

従来の銀行は、外から内部が見えにくく、「用事がないと入りにくい場所」になりがちでした。
伊那北支店では、大きなガラス面を設けて外部から内部が見える配置とし、気軽に立ち寄れる雰囲気をつくっています。

一方で、銀行として防犯性・信頼性を確保することも欠かせません。
そこで、金融相談のゾーンとカフェなどの滞在ゾーンを動線上でゆるやかに分けつつ、視覚的には一体に見える構成としました。
安心感を保ちながら、開放的で来店しやすい空間を両立しています。

さらに、窓口には可動収納式のカウンターを採用しました。
従来のカウンター越しの応対から、テーブルと椅子による対面形式へと変えることで、金融相談への心理的なハードルを下げ、より自然なコミュニケーションが生まれる環境を整えています。

ポイント③:ZEB認証を取得した環境配慮型の建物

3つ目のポイントは、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証の取得です。

ZEBとは、建物の断熱性能を高め、高効率な設備を導入することで、消費するエネルギーを大幅に減らした建物のことです。
伊那北支店では、高断熱化と高効率設備の導入により、ZEB認証を取得しました。

木材は、成長の過程で二酸化炭素を吸収し、建物として使われている間も炭素を蓄え続けます。
木造化とZEB化を組み合わせることで、建てるときにも使うときにも環境負荷の少ない建物を目指しました。

冬の寒さが厳しい長野県では、断熱性能の高さは光熱費の削減だけでなく、店内の快適性にも直結します。
長く滞在したくなる心地よい空間づくりにも、環境配慮の考え方が活かされています。

開業後に生まれた変化

伊那北支店の開業後、来店者数は従前の約2.2倍に増加しました。

学生が学習スペースとして利用したり、地域の方がコーヒーを片手に会話を楽しんだり、事業者が打ち合わせに活用したりと、高校生から高齢者まで多世代が日常的に利用する場所になっています。
利用者からは「銀行の堅苦しさがなく入りやすい」「待ち時間も快適で、つい長居したくなる」といった声が寄せられています。

また、開業から7カ月で8種類以上のイベントを開催しました。
AI活用セミナーやNISAのミニセミナー、タリーズコーヒーによるコーヒースクール、スポーツ選手の講演会など、金融から地域交流まで幅広いテーマで活用されています。

建物のデザインが、人の行動や地域との関係を変えていく。伊那北支店は、そのことを実感できるプロジェクトとなりました。

まとめ

城取建築設計事務所が設計した「八十二長野銀行 伊那北支店」が、ウッドデザイン賞2026(ソーシャルデザイン部門)を受賞しました。

設計で大切にしたポイントは、次の3つです。

①長野県産材を活かした木造のあたたかい空間
②開放的な構成で銀行の「入りにくさ」をなくす
③ZEB認証を取得した環境配慮型の建物

なお、ウッドデザイン賞2026では、受賞作品の中から最終審査を経て、最優秀賞・優秀賞などの上位賞が2026年11月10日に発表される予定です。

木造建築は、住宅だけでなく、店舗や事務所、工場・倉庫などの非住宅建築でも活用が広がっています。
木の温もりで働く人や訪れる人の居心地を高めたい、地域材を活かして企業の取り組みを発信したいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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株式会社城取建築設計事務所は、数多くの工場設計の実績があります。

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